開店して一時間経っても誰も来ないので、お客さんが来るまでのあいだちょっと書くことにした。
風邪のため教会に電話をしたときのことであったが・・・・・電話に出た牧師は僕が風邪を引いたことを叱るわけでも落胆するわけでもなく事情を淡々と聞いていて、「これは無事休ませてもらえる」と思った僕であったが、最後に牧師から出た言葉は、遅刻してでもいいからとにかく教会へ出てくるようにとのことであった。
調子がかなり悪いことを強調したのであるが、このことは受け入れてもらうことができず牧師の指示にしたがってふらふらと電車を乗り継いで教会へと向かったのであった。
その日はなにもすることはできなかったが、なんとか気力で持ちこたえ最後まで教会に留まることができ、行事のすべてが終わったあと牧師に呼ばれた。
その牧師は終始にこにこし僕にこう諭したのである。
「増田君、牧師っていうのは日曜日の礼拝が命なんだから今後二度と日曜日には風邪を引かないように」、牧師の言葉はただこれだけであった。
言霊というか暗示というか、この一言によってその日以来、今まで僕は風邪で仕事を休んだことが一度もないのである。
もし、僕が風邪を引くことがあるとしたら、仕事をリタイヤしたときとか、なにか熱中してやることがなくなったときなのだと思っている。
風邪を引かないためだけではないが、この身体に終わりが来るまで何かに熱中していたいと思っている次第である。
昔何かの本に書いてあったのを読んだのであるが、アメリカでは仕事をリタイアした人の余命は平均すると六年くらいだそうな・・・・・・仕事一筋の人はくれぐれもご注意を・・・・・・というよりも仕事以外でも人生をエンジョイされることをお勧めする・・・・・。
まだお客さんはこないのだが、書きたいことはだいたい書いてしまったので今夜はこの辺で終わりということにする。