殺すなかれ、という教えがありながら暗殺に加担した彼の弁明の要旨はこんな感じであった。
真昼の自由が丘の街を連想していただければいいのだが、幼子を連れている母親やのんびりと散歩を楽しんでいるご老人、楽しそうにデートをしているカップルのいる街に突如として気の違った人物が運転するトラックが暴走を始めた。
この場合、街の人たちの安全を守るためにはその人物はどんな人なのか、なぜ気が違ってしまったのかなどということを考えるよりもまずこの暴走するトラックを止めなければいけない。
このような判断が彼の行動を支えることになったのである。
これからこの話の落ちへと一気に進んで行くのだが、「なぁーんだ、そんな落ちなのか」と失笑をかいそうなので、この続きは次回ということで開店の準備をすることにする。