一目惚れ、という言葉があるが・・・・・・・・・・・・。
彼女を一目見たときに、心の中で何かがパチンと弾けた。
容姿もさることながら、内面からあふれ出す輝きに完全にやられてしまった。
止せばいいのに・・・・・・・、彼女の元に歩み寄り、触ってもいいですか・・・・・・・・・と尋ねた。
どうぞどうぞ触ってください・・・・・・・と答えたのは、彼女の持ち主、ブルースマンのブギーT氏。
彼女とは、綺麗な青色のテレキャスター。
聞けば’74年製という。
ステージ上の彼女は、透き通るような青色をしていたが、手に持ってみるとあちこち塗装が剥げていて年季を感じた。
よかったらどうぞ使ってください、という彼の言葉に甘えて次のステージで使わせてもらうことにした。
順番がまわってきて、呼ばれたのは何と僕とT氏。
結局、ギターを交換して演奏することになった。
演奏が始まり驚いた・・・・・・・・・・。
彼女、僕のいうことをぜんぜん聞いてくれない。
焦っていろいろと操作をするが、ますます混乱が深くなる。
僕の好みの微妙なニュアンスがでない。
言わば、白か黒しかないのである。
バカって言えばバカって言う。
ちょっと待ってと言えばちょっと待ってっていう。
おとなしくしてって言えばおとなしくしてっていう。
何かのCMみたいになってしまったが、まったく思ったとおりにならない。
一言で言えば、じゃじゃ馬。
困り果てながらも冷静に彼女とダンスをするうち、彼女がとてもシンプルに作られていることが感じられた。
いわゆる純粋・・・・・・・というやつである。
最後まで思ったとおりになることなくステージを降りたあと、ギターを交換しながらT氏が僕の耳元で「ね、じゃじゃ馬だったでしょ」と自慢げにささやいたのが印象的であった。
じゃじゃ馬は決してコントロールすることができない。
深い信頼関係ができるまで、一体となって溶け合うまで・・・・・・弾き込むしかないと悟ったのは・・・・・・・帰りの電車の中であった・・・・・・・・・・。
大変勉強になったしだいである。
いやー、まいったまいった←by加藤茶。