特別な愛情関係。
たとえば、恋人とか家族、愛人・・・・・・・・・・・。
愛だけが実在であるならば、人は皆ひとつであって互いに差別なく満遍なく愛し合うはずである。
片方を愛し片方を憎んだり軽んじたりするのはまことの愛ではない。
とするならば、特別な愛情関係というのは恐れから自分を守ろうとする一種の錯覚・・・・・・・・。
昨夜、誰も居ない店内で本を読みながらこんなことを考えていた。
時間は午前零時ころ・・・・・・・・・・。
そのとき、ふと僕の左隣に誰か座っているのを感じた。
誰も居るはずがないので奇妙に感じたが、あまりにも心地よく、存在を確認しようと目を向けたらこの心地よさがなくなるのではないかと思い、そのままにしておいた。
何か大いなるものに寄り添われているような感覚。
その感覚に包まれながら本を読み進めた。
視線は向けなかったが、なんとなく意識を向けるとそこには青白い光があった。
特別な愛情関係は、恐れに対する防衛・・・・・・・・・・・。
「だけど、確かに特別な関係もあるように思うし・・・・・・・・まあ、所詮幻想なんだから執着するなっていうことか・・・・・・・・。」・・・・・・・・・・などと考えながらつい居眠りをしてしまった。