吉野家の牛丼の話であるが、初めて食べたのは上京したての二十歳の時。
牛丼といえば、実家ですき焼きの残りをご飯にかけて食べるのが常であったので、初めて吉野家の牛丼を食べた時は「なんじゃこりゃ?」と思ったものであったが、いつからかその味が病み付きになり、学生時代はずいぶんとお世話になった。
以来時々食べているので、かれこれ三十年以上の付き合いということになる。
最初は並盛りから始まって、食べ盛りのころはよく大盛りのお世話になった。
最近では頭の大盛りと言って、ご飯は並でお肉が大盛りというのをよく注文している。
さらに、その時の気分によって汁をたくさんかけてもらう「つゆだく」なんていう注文をすることもある。
ちなみに以前はあったネギを多めに入れてもらう「ネギだく」はネギの高騰のためか今はやっていないのだそうである・・・・・。
並盛り、大盛り、つゆだく、頭の大盛り、いろいろと食べたが、未だかつて食べたことのないのが特盛りというやつである。
特盛りというとなにかとてつもない大盛りで、お相撲さんとかプロレスラーとか体育会系の学生が食べるものという印象が強く僕なんかがとても食べられるものではないと思っていた。
しかも、昔昔顔見知りのホステスさんが入れ違いに「特盛り一丁」と言いながら店に入って来たのを見て倒れそうになったことが一回あるだけで、特盛りを注文している人をほとんど見たことがない。
そんなわけで特盛りとは縁がなかったのであるが・・・・・・おっと、そろそろ開店の準備をしなければ・・・・・・・・。