久しぶりの再会・・・・・。
最後に会ったのは、六七年前のこと。
彼は僕と同い年。
話し始めてすぐに分かったのだが、彼の雰囲気が以前とはずい分違っている。
うまく言い表すことができないのだが、軽やかというか爽やかというか我がすっかり落ちたというか・・・・そんな感じであった。
話を聞いて、なるほどと思った。
彼は、数年前に妹さんを亡くしている。
余命を宣告された妹さんと二人で彼女の持ち物を整理したという。
「もう死んじゃうんだから、これも要らない、あれも不用」・・・・と片付け作業を進めたのだが、その持ち物の多さに彼は驚いた。
同時進行で、彼はお母上を老人ホームに入居させた。
妹さんを見送った後、彼は住む人の居なくなった実家の整理に取り掛かった。
「何でこんなに物が多いのか」
それはそれは何日もかかる重労働であった・・・・という。
その時、彼はふと思った。
あの世まで財産を持って行くことができないのは重々承知していたが、自分が死んだ時、一体僕の持ち物は誰が片付けるのか?
途端、今までせっせといろんな物を買い集めていた自分がアホらしくなった。
以来、彼は自分の身の回りを整理し始めた。
不要なものは全部処分し、面倒臭いことに関わることもさらりとかわし・・・・・・。
とても人生がシンプルになった彼。
それが醸し出す雰囲気となって現れていたのであった。
人は死なない。
とはいえ、身体の耐用年数が折り返し地点を過ぎた今、不要なものを整理する・・・・・そろそろそんな時期が来ているのかもしれない・・・・と思わされたのであった。
数冊の本、ギター一本、・・・・あとは茶碗とお箸・・・・数え出すとまた増えるのでこの辺でやめにしておく・・・・・。
昨夜、N女史とY女史の三人で桃の話をしていたら、Ei女史が桃を担いできて下さった。
三人で「おおー、寒っ!」などと言って笑っていたのだが、桃だけではなく・・・・・まだお土産があった。
それは、梅とお砂糖と・・・・容器。
夏に向けて梅ジュースを作れ・・・という指令が下った・・・・ので、今日早速作成に取り掛かったのであった。
水割り、ソーダ割、お酒で割っても・・・・・さぞかし美味かろう・・・・・と思う。
感謝!