学生時代、マルティン・ハイデッガーというドイツの哲学者の本を読んでいたとき、「あれっ?この思想、誰かに似ている」と思った。
その人物とは・・・・・・やはり同じドイツの新約聖書学者のルドルフ・ブルトマンであった。
何で似ているのか・・・・・・・・・漠然とした疑問を持ちならがしばらくの時が過ぎ、ある時学校の新約聖書学の先生に尋ねてみた。
その時先生はただ一言、「両者の本をよく見てみて」と答えただけで納得のいく説明はしてくれなかった。
「なんだかなぁ」と思いながらある深夜、禁酒禁煙の学生寮の自室でセブンスターに火を点け、一升瓶のワインをすすりながら机の上の二冊の本をじっと見つめていた時、そういえば先生よく読んでとは言わずによく見てみてと言っていたことに気がついた。
そこで二冊の本をじっと見つめ、パラパラとページをめくってあることに気がついた。
この哲学者と神学者は・・・・・・・・・・同じ時期同じ大学で教鞭をとっていた・・・・・・。
なるほどねぇ・・・・・・・と納得し、後日先生にそのことを告げると先生曰く、このお二人はジャンルは違えどもとても仲が良く、住んでいたのも学校の敷地内の同じ教員住宅で、よくワインなどを酌み交わしながら議論をしていたのだとか・・・・・・。
業界を強く揺るがすような思想も「ささ、まあ一杯!」なんていう状況から生まれたなんて考えたらこれはこれで楽しい・・・・・・・・ことである。
今夜もカウンターで何かが生まれるかもしれないと思ったら何だかウキウキしてきた・・・・・・次第である。
今夜は初のブルースセッション。
さてどんなことになるか、こちらも楽しみである。